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執筆者の写真official

「買う」を考える。

買い物が好き。 違和感を感じたことがなかった、この言葉。

いつからか、私にとって、買い物は好きなものではなくなった。

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可処分所得なんて言われ、可処分時間なんて言われ、 私が私の好きなように生きることが難しい。 ありとあらゆる手段で、私に関与してくる。

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私自身、買い物が好きだった過去がある。 しかもそう遠くない過去である。

今は、買い物は 面倒なもの、でもあるし、 頭を使うもの、でもあるし、 非常に疲れるもの、でもある。

もちろん、楽しさもある。 良いものや温かみのあるものに触れたり、新しいアイデアを目の当たりにしたり、刺激も多い。 それでももう、買い物は好きなものではなくなった。

買い物が好きだった頃は、「買う」ことが目的だったから、なんでもよくはないにしても、不要なものをよく買っていた。お金を出せば新しいものを手に入れることができる。いいものを見つけたと感じた時の特別感。買った時の気分の高揚感。何も疑わず、欲しいものを買っていた。もちろんお金のある範囲にはなるけれど、ギリギリに切り詰めないといけない暮らしから解放された時は、それこそなんて素晴らしいのだろうと思っていた。

しかしそんな若かりし頃から少し経つ今、身の丈にあった生活を心がけるようになると、買うためにかけていた労力(お店を回ったり、検索したり、比較する時間やエネルギー)があまりに大きかったことに気づく。 そもそも、「生活する」とはなんぞやと見つめ直すと、「生活=買う」ではないはずだと我に返る。

若い頃は、背景や作り手、素材のことなんて見向きもしていなくて、表面上のことだけをなぞっていた。必要でもないのに手に入れたモノたちに申し訳ない気持ち。所有する責任が存在することすら知らなかったこと、「買う」行為を深く考えなかったことに恥ずかしさもある。(でもこうやって経験したからこそ気がつくのかもしれない)

あまりにたくさんの商品で溢れていて、必要なものが見えづらい。 選択肢が多すぎて、選べない。 どこを見ても商品が並んでいる大型商業施設が、しんどくなってきた。 情報過多ではあるまいか。

休日に、商業施設へ行く気がしれない。そんな人間になった。

結局、欲しいものではなく必要なものはネットでポチッとすることも増えてきた。つまり、私は配送の手間をアウトソーシングしている。持って帰るウキウキ感は、もはやないという証拠。(届くのが楽しみというのはあるかも?)お野菜も宅配でできるだけオーガニックなものを頼んでいる。1週間で足りなくなってきたら、少しだけ買い足しをする。ちょっとでも安く、という部分には比重を置かない。ものを作るには、材料も技術も人の手もいるから。

必要なもの、ではなくて、欲しいもの、についてはできるだけお店で手にとって選ぶようにする。買い物をするお店は、基本的には決めておく。自分の理念にあったお店を。信頼できるところの紹介から選ぶ。

こうして、買い物にかける労力は減ったはずなのに、それでもまだボーッとする時間が足りない。 買い物に時間をかけていた時は、一体どうしていたのかと思う。 そもそも、必要だと思わされているだけで、なくても平気なモノも多い。 (我が家には電子レンジもホットプレートもない。ティッシュもコットンもおしりふきもない。) ※トイレットペーパーはある! ※テレビを処分したいけど許してもらえない!

暇ができることを嫌う人もたくさんいるけれど、私は予定のない時間に、思いを巡らすのが好き。

「買う」を見直すと、自分のことが見えてくる気がする。

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買い物が好き、に陥るのは、 だいたいが、承認欲求の歪みな気がしている。 これがあれば、ああなれるに違いない。 これを持っていると、認められる。 これで、この先安心。

買い物依存症予備軍は、自分かもしれない。

(買い物が好き、が悪いことでは決してない。私の場合は買い物が好きだと思わされていたなと思ったので。念のため。)

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気がつけば、2月。

2月は、自分の誕生日があるということで、なんとなく特別な月。

ただ寒いだけに見えて、いろんなことが動き出す。

飼われている動物のお肉をできるだけ食べたくなくなり(特に牛肉。。)、ジビエ(猪)のひき肉を買ってみた。夫に、「猪ならいいん(笑)」と笑われた。餌、飼われている環境、繁殖させるための諸々、品種改良、いろんなことにおいて、まだマシだと思う選択なのだけれど、「自由にしているからね」とだけ言っておいた。

時々、お味噌汁にキムチを入れる。おいしいしボリュームも出る。味が濃くなってご飯も進む。卵入りにしてメインディッシュに。

お花を愛でるの、好き。

夏より、澄む空気。

隠蓑の忍者らしい。なるほど。

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